4.契約終了後のこわ~いお話

商談が成立して、取引をハッピーにスタートしたはよいものの、契約終了時には、当初の高揚感もなければ、場合によっては不幸な関係となっている可能性があります。

 

契約書で、「契約終了時の取り扱い」を定めていないと、関係が悪化している時に「終了後どうするか」を話し合わなければならず、不利な立場に置かれた側にとっては、実にストレスの溜まる時間を過ごすことになります。

 

そこで、このようなことを少しでも防ぐため、あらかじめ「契約終了時の取り扱い」を定めておくことが望ましいと言えます。

 

例えば、こんな契約を考えてみてください。

 

★秘密保持契約書で契約期間の定めなし。契約終了後の秘密保持義務もなし。

一方から秘密情報の提供を受けた側が、「相手はもう用なしだ」と言って契約解除した場合、契約終了後の秘密保持義務がなければ、そのまま秘密情報を公開または自社で使ってしまう可能性があります。

したがって、「乙は、本契約終了後も引き続き○年間、本契約に定める秘密保持義務を負うものとする」などという条項が必要となります。

 

★リース契約で、社内の契約書ひな型を使ってしまったケース

リース物件は数億円の大型設備。契約終了時に、「物件はリース会社の本店に持参して返却」となっている契約書です。現実にはリース会社が指定する廃棄物処理業者や運送業者を使い、その費用を相手方負担としたかったのですが、特にその費用のことは書かれていなかった為、大型設備を「そのまま分解して運びますよ」(*つまり返却に関してリース会社の指定する業者に対する処理費用は負担しない)と相手方から言われてトラブルとなってしまいました。

こちらは、契約前に「実際の取引と合っているかどうか」をチェックすれば防ぐことのできたトラブルでしょう。

 

 

契約時はお互い嫌な話をしたくないのは分かります。しかし、最悪の場合も考慮して、この段階で決めておくことで防ぐことのできるトラブルもあります。ひょっとして、契約を交わさない方がよかったかもしれないケースもあるでしょう。

 

私も多くの契約書を見てきましたが、契約終了時の取り扱いはあまり触れられていないものが大半です。契約終了後のリスクがないか、一歩立ち止まって考えてみても損はありませんよ!

運営者

小坂 英雄
小坂 英雄 Kosaka Hideo

愛知県行政書士会所属。2003年行政書士開業。契約書だけでなく、利用規約取扱説明書も作成しております。小坂行政書士事務所代表。(有)起業経営研究所代表取締役。その他NPO法人や一般社団法人などの役員を務めています。